親子面接の意味

しい校長先生のご趣味は、アウトドアです。ですからお父さん、面接で『休日はどのように過ごされていますか?』などというご質問を受けたら、『私は若い頃からアウトドア派でございまして、子どもと一緒にキャンプなどに参ります!』とお答えになればよろしいかと思います。きっと、校長先生は好印象をお持ちになりますよ!」 「A校の面接は、教頭先生のお眼鏡に適うかどうかが、というところがポイントなんです。あの先生は、とっても静かな方でいらっしゃるので、ご両親のご趣味は、音楽鑑賞、美術館めぐり、などとおっしゃると、きっとお喜びでしょう。」

これは昔むかし、まことしやかに志願者のご父兄達の面接へのアドバイス、として語られたことの一部、です。交替した校長先生のご趣味や、志望校の教頭先生のお人柄について、予備知識があるのは、一つの安心につながるでしょうね。しかし、それだけのことです。それらのことを知ることによって、ご自分達の趣味や、嗜好までねじ曲げ語る・・・何と軽薄でナンセンスなことでしょう。

もちろん、今では、もうこんなアドバイスを、真正直に実行するような方は、もういないでしょうが、ほんの7,8年前までは、受験怪獣と化したバブリーな母親達は、志望する学校に合格をするために!と、なりふり構わず、受験産業の言われるがままに突っ走りました。 そんな一時代は終わり・・・現在は、もっとまっすぐに学校に相対するご家庭が増えてきたように思います。それはある意味、小学校受験の裾野が広がった、ということを意味しているのでもあるでしょう。

 さて。 小学校受験につきものの、親子面接の意味・・・これは何だとお思いでしょうか? なぜ、子どもの学校なのに、働き盛りの父親まで呼びつけられ(最近では減少したものの、平日の昼間に親子面接がある、という学校は多いものです)、あれこれと尋ねられる・・・ 学校が「両親揃って呼び、短時間とはいえ、実際に親お二人を見て、お話をしたい」と思うのは、なぜでしょう?

たいていの場合、面接官となられる先生方は、校長先生ではなくとも、その学校に比較的長く在職され、「学校の顔」的な存在である方、またはお若くとも、その学校の方針を熱心に伝える教育をなさっている先生方です。 要するに、親子面接時の面接官は、その学校を代表する教育者であり、その方の「目」と「耳」は、短時間の間に、確かにご両親を見抜かれるだけの能力、感性をお持ちなのでしょう。 少なくとも、「その場だけのウソ八百」「昨夜に徹夜で覚えた志望理由」を見抜けないほどの貧弱で無能な目や耳ではない・・・

先生方が見たいのは、いやいや、「感じたい」のは、この志願者であるこの幼い子どもを育てているのは、どんな親なのか?どんな話し方をし、どんな答えをする、どんな人柄の人なのか?ということです。 子どもはまだまだ柔らかく、たいていの場合、どこのどんな学校に進学しても、各校の教育方針の下「その学校の子どもらしく」育っていきます。 しかし、親はそうはいきません。完成品ですからね、すでに!

 だからこそ、面接では・・・本当の「あなたの顔」をお見せになるべきです。先ほども申し上げた通り、メッキが見抜けないほど、節穴の目を持った先生が面接官になるわけはないのです。

と人は一期一会、です。学校と家庭、これも同じこと。 だからこそ、礼を尽くし、面接官に真摯に向かい、思うとおりのことを、素直にお話になれば良い・・・いや、作らず、装わず、素顔のままで、お話をすべきでしょう!

それで縁のない学校であれば・・・入学しなくて良かった、ということです。 この親は合わない、この親はどうも違う、と思われながら、子どもを学校に通わせることは「業」ですよ。 面接では、小手先の小細工などは禁物です。そういう「偽りの、装った自分」を見抜かれてしまうとき・・・あなたは、とても卑小な人として、先生方の目に映ることでしょうね。

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