受験終了 抜け殻のお母さん

受験が終わり、子ども達は新しい世界に第一歩を踏み出します。
中学受験という大変な大事業を成し遂げ、自ら踏み出す貴重な尊い一歩です。
しかし、お母さんはどうでしょう?一緒にがんばり、叱咤激励してきた母・・・けれど、一緒に中学に入学するわけにはいきません。ついこの間まで、息子や娘と一緒に夢に描いてきた学校・・・子ども達は、確かにその「中の人」になりましたが、お母さんは、あくまでも「外野」ですね。
多くのお母さん達は、この時点で、急にぽっかりと心に穴が開いたように感じます。さあ、今度は何をしましょうか???
受験は無事終わり、子どもは一歩親から遠ざかりました。ほんの一歩とは言え、自分の努力を実らせたこの一歩の価値は大きく、誰よりもそれを子ども自身が実感し、ひとまわりも、ふたまわりも大きくなっていることでしょう。

お母さんは、やっと自由になったのです。塾の時間も、遅い夕食のことも、クラス替えのテストのことも、偏差値も、塾での個人面談も、もう何も気にしなくてもよくなりました。もう、自由です。
これからは、我が子は多くのことは自分で決めて歩いて行くでしょう。もちろん今後も我が子、家族であることには違いなく、まだまだ母親が手をかさなければならない場面も多いでしょう。
けれど、子ども達は大きくなったのです。受験準備という辛く厳しい茨の道を進み、そして見事に大きな壁を乗り超えたのです。これからは、今まで以上に、自分の頭で考え、しっかりと責任を意識して行動しなければならない、新しい道に入っていったのです。

残念ながら、多くのお母様達は、なかなかこのことに気づきません。いえ、気づいたとしても急に自分が寂しくなってしまうので、敢えて気づかないふりをしている・・・というお母さん達も少なくはないのかもしれません。
確実に巣立っていった我が子の後ろ姿を呆然と見つめ、持って行き場のない悲しさを感じるのですねえ・・・そこで、大人として、立派な母親として、気づいてくれれば良いのですが・・・「ああ、あの子は立派になったわね。私もサポートのし甲斐があったわ。中学受験という大変な壁を乗り越えて、素敵に成長してくれた・・・」と感無量になる!

でもね、中には困ったお母さん達もいらっしゃいます。塾通いという、母親の万全のサポート体制を必要としなくなった我が子の新しい毎日に、不思議な憤りを感じ、そして、妙な開き直りのような気分になってしまう。「私は、あの子を愛しているのよ、誰よりも、あの子のことを知っていて、あの子のことを愛しているのよ!」と。
でもね、ご自分の姿を、そっと鏡に映してみてください。 愛情という名の切り札を持って、我が子にべったりと執拗し、しがみついていませんか?

度は、お母さんが塾のサポート、我が子の偏差値から解放されたことを喜び、自由になった自分の世界を築いていく番です。間違っても、6年先の大学受験に向かって、次なるマネージャー役をかってでるのは、あまりに悲しい・・・  
子ども達が中学受験を終える時期のお母さん達は、そろそろ30代を終え、40代に入っていく時期でしょうか?お父さん達は、若い頃からの努力が実り、組織の中でも、仕事の上でも地位が確保され、確固とした居場所が出来ているでしょうね。お仕事をお持ちのお母さんの場合は、もしかしたらお父さん達と同じような状態でしょうか。でも、専業主婦であるお母さんはどうでしょう?

どんなに我が子を愛していても、いつまでもべったりと子どもに寄生する母親になってはいけません。愛情は愛情、それをすべての免罪符にするのは、じつはとてもみっともない・・・なぜなら、男の子でも女の子でも、そういう自分に寄生してくるお母さんに鬱陶しさを感じこそすれ、それを「ありがたい愛情、豊かな愛情」だとは思えなくなってくるのです。

  今度はお母さんが、一人の女性として、人として、しっかりと自分の道を歩いていく番です。
 人として輝いているお母さんは、必ず子ども達にとっても魅力的で、すばらしい母親として目に映り、誇りに思えるものです。それがたとえ趣味の世界であれ、一生懸命にがんばり、結果を残していく母親は頼もしく、とても生き生きとして素敵に見えるのです。
いつまでたっても「自分」を持たず、愛情の名のもとに、子どもや夫にしがみついている母親は薄っぺらで・・・そして、悲しい・・・そう子ども達は感じるのです。

子どもの受験が終わった後の生き方、生活設計、大事です。
6年生の3学期には、受験は終わり、子ども達は小学校を卒業します。中学に入学したら、子ども達はすっかり立派に変身していきますよ。
どうぞそのことを忘れず、6年生の夏期講習以降は、子ども達の受験が終わる時のことも考えながら、最後のサポートしてきましょう。

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